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\SAS8期スクール日記・圃場実習秋冬DAY4・10月22日開催/

SAS日記

2022.10.23(日)

SASスクール日誌担当のSAS8期のもやです。
 
10月22日は二十四節気の「寒露」の末候、次の「霜降」に向けて朝晩の空気の冷たさも増してくる頃です。朝のゴミ捨ての時には、吐く息も白くなってきたことに気づきました。
 
七十二候(二十四節気を3分割したもの)では「蟋蟀在戸(キリギリスとにあり)」となり、蟋蟀(昔はコオロギのことをキリギリスと呼んでいたそうです)が暖かさを求めて、野から軒下へ、そして戸口にまで入り込んで鈴のような音色を聞かせてくれる季節です(家の機密性のよくなった現代ですと入り込んでくることも少ないと思いますが。。)。
 
そんな中、今回のSAS当日は、朝晩の冷え込みとはうってかわって、日中は農作業するには少し暑いくらいの日和となりました。
 
 
今回の圃場実習のお品書きは、以下の2メニューです!
 
・アーチ支柱片付け
・エンドウ&ソラマメ播種
 
 
早速ですが、今回は実習に入る前の畑の観察タイムで、スクール生の皆さんから面白い気づきが報告されました。
 
秋冬DAY1にみんなでキャベツを定植した畑ですが、害虫の発生が見られるなか、その害虫が白くミイラ化しているのです!
 
何ともホラーな描写ですが、講師のうっちーさんは「久しぶりに白僵(はっきょう)病が出ましたね。最近見ていませんでしたが。。」との反応。
 
糸状菌(かびの仲間)の一種が虫に寄生して発症するもので、微生物活動が活発な畑の生態系では、害虫が出てきても、バランスをとって天敵も発生し、大きな被害にはならないとのことでした。
 
 
その後、休憩を挟み、きゅうり&ミニトマトを育てていた畑へ移動。真夏に毎日のように収穫をした畑のアーチ支柱の片付けをしました。
 
まずは、アーチ支柱に絡まっているきゅうりやミニトマトのツルを落としながら誘引用のネットも剥がします。この時にマイカー線(アーチ支柱の固定に使用)も回収します。
次にアーチ支柱のパイプを解体し、同じ種類のパイプを10本ずつまとめて縛り片付けます。最後は、マルチを剥がして完了です。
 
このあと畑は、次の作付けに向けて、緑肥(ソルゴー)を育てたりと土づくりのフェーズに入っていきます。片付けの後に、ソルゴーのモアがけ(トラクターで刈り取り粉砕すること)のデモも見せてもらいました。
 
粉砕しチップ状にして表面積を増やすことにより、緑肥のすき込み後に微生物が分解しやすいようにしているとのことでした。
粉砕前のソルゴーをかじらせてもらうとほのかに甘みを感じられました。
これが微生物のエサとなり、土づくりに繋がっていくわけですね。
 
土づくりについては、日本酒の仕込みに例えて、発酵食品を作るイメージで考えているとのお話もありました。
 
日本酒は米(分子サイズの大きな有機物)をこうじ菌が糖類(分子サイズの小さな有機物)へ分解し、その糖類を酵母菌がアルコール発酵するという二段階の工程を踏みます。
 
一方、土づくりは、緑肥(分子サイズの大きな有機物)を主に糸状菌などが糖類へ分解し、その糖類を使って、窒素固定細菌を活性化させるイメージです。
 

 
お昼休憩を挟み、午後は育苗ハウスにて、エンドウ&ソラマメ播種をしました。
 
まずはエンドウから。
培土を詰めたポットに2粒ずつ種を蒔き、土をかぶせた後、手の平で整えます。
「スナック753」という品種です。エンドウには、大きく3タイプ(きぬさや、スナック、豆)の種類があり、3種類育てたい場合は、きぬさやは他のタイプと離して育てた方がよいとの豆知識も聞くことができました。
理由は、先にきぬさやタイプの木が弱り、うどんこ病にかかることで、まだ元気な他のタイプへ伝染るからとのこと。
 
続いてのソラマメは、品種は「打越一寸」で、「おはぐろ下播き」と「寝かせ播き」の2種類の蒔き方を試しました。
「おはぐろ下播き」は、おはぐろ(種にある黒い筋部分)を下に、種の窪み部分を斜め上に向け、種の頭を1/3ほど土の上に出してまきます。「寝かせ播き」は、種の平な方を下にして土の上に載せて播きます。
 
基本的には今までのいかすの経験で発芽率の高い「おはぐろ下播き」で播きましたが、比較のため「寝かせ播き」もとのこと。
でも、敢えて「寝かせ播き」も試す理由が分からずモヤモヤ。講師のうっちーさんへ質問すると、理屈としては、「播き方向の失敗リスク防止」と「作業効率アップ」の2点とのこと。「おはぐろ下播き」の場合、誤って上下逆に播いてしまうと絶対発芽しないそうです。播種方法ひとつとっても色々な考え方があり勉強になりました!
 

 
また、番外編ですが、今回のお昼休憩中に、スクール生同士の「タネの交換会」が催されました!珍しい種や自分で種取りしたものを持参する強者までいらっしゃり、これまた楽しい一時となりました。僕も「モリンガ」(CO2吸収率が他の木の約20倍!?)と「自家採取のらぼう菜」をいただいたので、プランター栽培に挑戦してみたいと思います。
 
以上、冬に近づきつつある中での、秋冬DAY4の模様でした!
 


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