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微生物を生かした育土①

微生物を生かした育土①

 

■■育土って?

聞きなれない言葉だと思いますが、ちまたには、土づくりと言われてます。

でも、よくよく考えてみる土ってつくれないよなーと。実際やるのは微生物とか小動物、作物さんたちなので、人間はそのお手伝い。

育てるというのも違うと思ってるけど、既存の言葉がないので、ベターな育土を使っておきます(笑)

 

新規就農する人なら、以前の農家さんが使っていた土地を借りることになります。前年度まで使っていた土地もあるし、また、長年放置されていた畑や田んぼもある。

また、慣行からオーガニックに切り替えようとか、もともと、有機農業や自然農法、自然栽培・・・

いろいろなタイプの自然系の農業を実践されていた方もいるかもしれません。

なんにせよ、まず、自分に与えられている土の状態を知るところから始めていきます。

 

■■めざす土のイメージ

まずは、自分の目指す土のイメージをしてみます。目的地が違えば、アプローチ違ってきます。

ここでの目指す土のイメージは、

森の中にある土壌生態系を模倣して、ひとが関与することでより農業向けに養分循環を強めた土壌生態系にしていく。

植物が進化するにあたって、共生してきた菌根菌や糸状菌を頂点とした微生物の進化の歴史を、畑の中で再現。植物の生育にとって有効な微生物や小動物の数を徹底的に増やしていく。

結果的に、味よし、みため良し、収量よしの作物ができてしまう土壌生態系になる。

または、連作をかけることにより、その作物に最高に適した土壌生態系になっていく

この状態を作るために、様々な資材や資源を組み合わせ、「いかす」方向で使っていく

 

そんなイメージになるように目指していきます

 

※ 「いかす」方向とは?

今、存在しているすべてのものに、無駄なものはないという前提をもって、

すべての生命がいかし、生かされて豊かな世界をつくることを目的とする

ひとが、その世界を実現するため、むかっていく方向のことを「いかす」方向という。

到達したい目的地はあるが、そこへの進み方は、畑の数だけあると思います。

 

■微生物をいかす育土

 

●徹底的に微生物を増やしていくという方向性でやっていく。

資材の使い方、作物の組み合わせ方などいろいろあると思いますが、参考になる仮説などを載せておくので、自分自身でも創意工夫してやってみてください。

 

【基本の考え方】

①作物を肥料でそだてるという考え方を手放す

②森の土壌生態系の循環にならって、高炭素資材を利用し、微生物が生み出す養分循環を最大化することで、作物が健全に育っていく。

③微生物が住みやすい環境を整備していく(空気・水・餌)

作物は、微生物や小動物を中心とした土壌生態系を循環する養分を利用していく。

作物は、自ら光合成で生み出した代謝産物や根などのいらなくなったものを提供することで、微生物の食物を提供して、強固な共生関係を築いていく。また、作物が毎年継続的に入ることにより、その作物に適した土壌生態系を築いてく。

 

■■ 土を知る

富士登山をイメージするとわかりやすいかもしれません。頂上からみると、俯瞰した視点で、「あー、西から上る経路もあるなーとか、東から上る経路もあるなー」とそこに至るまでたくさんの経路がみえてくると思います。

めざす目的地から現在地を見たり、過去からの流れを俯瞰してみると、よりスムーズに目的地に到達する経路や登り方がわかってくると思います。

育土の場合も同じ。目的地となるイメージをし、そこから現在の地点をみて、現在地点である土の状態を知る。現在を知るためには、その土壌の生成の歴史や畑や田んぼとして使用されてきた経緯などを知ることは、とても有効な情報になってくると思われます。

未来に至るための、基礎的な情報を得るための基礎的な調査をします

 

【前提】土地の履歴を聞く

もし、はじめて借りる土地であれば、以前の使用者がいる場合、その方に使用の履歴を聞く。もしくは、近隣の農家さんがいれば、その方にできるだけ、その土地の履歴を聞きましょう。その地域には、適地適作があります。そういった情報を長年やってきた農家さんから聞けると、これからの栽培にとって有効な情報になります。

①どんな作物を育ててきたのか?

②どんな肥料を使ってきたのか?

③作物の出来はどうだったか? 病気の有無は?

④農薬や化学肥料などの使用履歴?

⑤水はけ・水もちなどの状態

⑥造成の有無、大規模圃場整備の歴史

⑦その地域の地形について、川の有無、むかしの位置・・・

 

【1】 物理性をしらべる

①棒をさしてやわらかさを確認 

②土壌の断面調査(畑の数箇所を60㎝~100㎝掘り断面調査) 畑の数か所を掘ってみる。

※高低差があるなら、上と下は最低。または、道路際と中側とか、過去、圃場整備などしている場合は場所によって下層土がちがったり、砕石がつまってたりする。

③団粒化の度合いをみる

※仮比重をしらべるとか、いろいろあります。ご自身で納得のいくだけやってみてください。基本的には、上の三つは必須で確認。

        

 【2】 化学性をしらべる

①使用履歴の確認 どんな肥料などを使ってきたのか?どんな作物を育ててきたのか?

②土壌診断による化学性の把握を行う。

手順:土壌のサンプリングをして、専門機関に診断を頼む。

※簡易診断キットによる土壌診断はさけたほうが良い。かなりの差異が出てしまうので。

 初めの土壌改良を目的とした診断の精度には適さないと思います。

 また、土壌改良するときは、必ず、その土の緩衝能試験をしてから改良をかける

 最低限 PH CEC EC  塩基飽和度 塩基バランス 有効態リン酸の値 などの最低限の要素を整えておくと、微生物が住みやすい土 になるのと、作物の養分吸収を助けることもできるので、転換初期から収入にしていきたい際はお勧めします。

 

 【3】 生物性をしらべる

 

①使用履歴を聞く:どんな栽培をしてきたのか?どんなものを使って土作りをしてきたのか?放置畑なら、放置されていた期間など

②土の状態や生き物の状態を観察:目に見える範囲でかまわないので、土にどんな生き物がいるかどうかを観察してみる

 

 

以上のことは、かならず、栽培に入る前の基礎情報として調べておくといいと思います。

また、地域の土は基本似ているところが多いです。はじめのうちは丁寧に1つずつ調べていくと、データが蓄積していくのと、メドをたてるのが上手になってくると思います。