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炭素資材を使って大規模化めざす場合・機械化の取り組み

炭素資材を使った農業で、一番大変なこと、それは撒布にかかる労力です。
小規模農家や新規就農者の場合、機械がないので人力による作業が多くなるので尚更です。

そこで、補助金を活用して、機械を取り入れた省力化の技術と、
畑の状態による機械の使い分けなどを探究しました。

 

 

■中規模化、大規模化に向けての取り組み

 

初期の土壌の改良(物理性の改善、化学性の改善、生物性)の改善をしていくにあたって、たんじゅんでは、トレンチャーで溝を切ったり、表面にチップを撒布をして作業をしています

その際にネックとなるのが、人力によりチップを溝に充填したり、表面に施用するための労力がかかってしまうため、大規模にそれを実施できない点にありました。

そこで、今回、既存の機械を組み合わせて使うことにより、省力化を図る取り組みを検討してきました。

 

■省力化のかなめの道具!!マキタロウ

 

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チップを表面に撒布する際、そして、溝にチップを充填する際に活躍してくれるのが、マキタロウという堆肥の撒布機です。

これにより、表面施用はもちろん、溝へのチップの充填を可能になりました。

元々は、手動の堆肥撒布機として利用されていたものですが、

実験の結果、堆肥だけでなく、ある程度細かい、剪定枝のチップであれば、積み込みと撒布が可能であったので、チップ撒布機として使うことにしました。

優れている点は、堆肥やチップを自動で積み込めるかき込みの機能がついているので、一人で積み込みと撒布ができる点にあります。

チップの充填に関しては、踏み込みをしてチップを押し込んでつめる作業は機械化できていませんが、

猫車で手作業でやっていた時とくらべてはるかに省力化することができました。

 

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 かき込むようにチップやたい肥を積み込むことができる。

 

■トレンチャー

 

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○メリット

土壌の排水性が悪い際には、特に、トレンチャーでの溝切りが有効です。

チップを詰める溝を掘る以外にも、明渠としても使えます。例として、重粘土で水はけが著しく悪い圃場では、この溝切り後にチップをつめることで、ガチガチの粘土が、黒ボク土のように、ふかふかの土に変化していく事例も見られました。

台風などの大雨の際でも、耐水することがほとんどなくなります。

 

○デメリット

今回、購入したトレンチャは、最大1メートル掘ることができます。その分、未改良の下層土が上に上がり、作土に混ざることから、作物の生育が不良になるケースが考えられます。物理性は良くなるものの、化学性などのバランスもとる必要がでてくることもあります。

 

■サブソイラー

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圃場が大きい場合や畑としてすでに利用されていて、ある程度の水はけがよい場合は、トレンチャーではなくサブソイラーをかけて、耕盤層を破壊しておきます。

トレンチャーは、下層土を大きく動かすので、それだけ、未改良な土が上にでてくることで、生育不良を起こす可能性もあります。

サブソイラーでしっかりと耕盤を砕いた後に、ソルゴーなどの大型の緑肥、冬であれば、えん麦などの麦類などを入れて、砕いた層の下にしっかりと根を伸ばすことにより、根による根耕を進め、水はけの改善や、より深い層まで植物が根を張れるようにしていきます。

 

■フレールモア・ハンマーナイフモア

 

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手押し敷きのハンマーナイフモア

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トラクタータイプのフレールモア

 

大きくした緑肥は、そのままでは、トラクターで鋤き込むことが困難です。

その際に、手押しタイプのハンマーナイフモア、もしくは、より早く粉砕をしたい場合は、トラクターに取り付けるタイプの「フレールモア」を使うと非常に効率的に緑肥の粉砕ができます。

緑肥を細かくして鋤き込むことで、育土をすすめていきます。

 

○手押しとトラクタータイプの使い分け

圃場が大きくなる場合は、トラクタータイプのフレールモアがお勧めです。

3メートル以上に成長したソルゴーであっても、10aあたり、30分くらいで粉砕できます。一方、手押しのハンマーナイフでやる場合は、このサイズのソルゴーであると、粉砕中に止まってしまったり、時間がかかります。10aあたり、3~4時間くらいかかることもあります。

ただ、手押しのハンマーナイフは小回りが利くため、小さい圃場や、圃場周りの草管理などにもつかえるので、便利です。

 

 


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