iCas

iCas

\SAS8期スクール日記・圃場実習秋冬DAY6・11月19日開催/

SAS日記

2022.11.21(月)

SASスクール日誌担当のSAS8期のもやです。
 
11月19日は二十四節気の「立冬」の末候、風も冷たくなり、早いところでは初雪を観測など、いよいよ冬の到来です。
 
七十二候(二十四節気を3分割したもの)では「金盞香(きんせんかさく)」。水仙の花が咲く頃となりました。
 
ここでの「きんせんか」とは、春に咲くキク科の「金盞花」ではなく、水仙のことを指しています。水仙には「雪中花」という別名があり、雪の残る野山など冬の厳しい寒さの中でも、凛として立ち上がり、白や黄色の美しい花を楽しませてくれます。
 
今回のSASでは、冷涼な気候を好む野菜達の定植を学ぶ一日となりました。この野菜達も長い冬を越して、春〜初夏にかけて豊かな実りを分け与えてくれるはずです。野菜達や冬の訪れを飾るのにぴったりな水仙にあやかって、寒さに背中を丸くせず、畑仕事も背筋を伸ばして元気に取り組んでいきたいものです。
 
今回の圃場実習のお品書きは、以下の2メニューです!
 
・エンドウ&ソラマメ定植
・タマネギ苗とり&定植
 

 
最初に向かったのは、前回のスクールで緑肥(エンバク)の播種をした畑。
 
前回、畑の半分程度にエンバクを播種しましたが、本日は残り半分に立ててある畝に、エンドウとソラマメを定植していきます。定植する苗は前々回のスクールにて、みんなで育苗播種したもの。
 
そらまめについては、発芽率が悪く6割程度(13/21トレー)でした。原因は播種時や育苗管理時に充分に土が種に圧着できておらず、発芽に必要な吸水ができなかったためです。こちらについては、現在土の圧着度合いを調整しながら育苗中で、徐々に発芽してきています。うまくいかないこともありますが、これも一つの学びとなりました。
 
さてさて、定植の方は、ソラマメ→エンドウの順で、グループごとに植え付けていきました。苗の根鉢を崩さずそっと扱うのが大変との声が上がる中、講師のうっちーさんからも、「植え付け後に行う周りの土の圧着時に絶対根鉢をいじらないように!」とのこと。いじって根を痛めてしまうとそこが病気の原因になってしまうことがあるからです。
 
定植が終わった後は、エンドウの支柱立てのデモンストレーション。いかすでは、仕上がりが綺麗になるように色々な工夫をしています。例えば、土に刺す部分にサビ止めスプレーを深さ40cmに揃えて塗布したり、ネットをかけるためのマイカー線(支えにする紐)を張る支柱の位置に1本1本印をつけたりしています。中々ここまで手をかける農家さんはいないそうですが、支柱立てをはじめ、畝立てやハウス立てなど、綺麗な仕上げをしていると、周りの地主さんからの信頼に繋がり、「ウチの畑もやらんか?」と声が掛かることもあるそうです。
 

 
こうして、エンドウ&ソラマメ定植も完了しましたが、講師のうっちーさんから一つ重要なことを忘れているとの指摘が!?
 
アブラムシ対策として畝間にエンバクを蒔くのですが、本来は畝立て&マルチ張り後の畝間の土が柔らかいうちに行う方が良いとのこと。
 
定植作業で畝間の土を踏み固めてしまうと蒔きづらくなるのです(スクール放課後に研修生にて蒔きました!)。マメ科野菜はアブラムシがつきやすく、エンバクは露払い役として、アブラムシの天敵(ヒラタアブ、クサカゲロウ、てんとう虫等)を呼びこむ効果があるそうです。
 
続いては、別の畑へ移動して、タマネギの苗とりです。
 
今回は中生品種の「ヒーロー」の苗をとっていきます。畑に着いて苗の状態を観察すると、とう立ちしづらいちょうど良い大きさに育っているとのこと。
 
今年は作業が立て込み播種時期が遅くなってしまったのですが、10月以降も暑い日が多かったためだと思われます。育苗としては結果オーライとなりました。
 
ただ、去年はこの時期には定植が完了していたそうで、これから12初旬までに頑張って植え切る必要があります(^_^;
 
苗はMサイズ、Sサイズの2サイズと変形(曲がったりしているもの)に分けてとります。
 
まずは、手でとりやすいようにスコップで根の下部分を掘り起こしていき、みんなで一斉に根についている土を手でほぐしてとり、玉に肥大する部分をそろえて回収しやすく並べていきました。
 
こつこつと根についている土をほぐしていると、なにやら奇妙な根を発見しました!?玉ねぎの苗の根の1本が一回り太い茶色いチューブのようなもので覆われていたのです。一体何者か分からずモヤモヤ。講師のうっちーさんへ質問してみると、スギナの根が朽ちたところに玉ねぎの根が伸びて入り込んでいった様子とのこと。このように雑草の朽ちた根も玉ねぎの根張りを助けたり、有機物として養分になったりと、複雑な土壌生態系の貴重な瞬間を見ることができて面白かったです!
 
並べ終わった苗は、サイズごとにコンテナに分けて回収しました。今回は事前にとっておいた早生品種「浜育ち」の苗と一緒に定植先の畑へ持っていきます。
 

 
ここで時間もお昼となり、玉ねぎ定植前に、一旦ランチタイムへ。
 
ランチタイム中には、秋冬圃場実習DAY1でみんなで定植したキャベツの試食をしました。
 
美味しそうに丸々と育ったものと、比較のため敢えて虫食い気味のものを収穫し、食べ比べてみます。
 
虫食いの方も甘さはあるのですが、後味にえぐみがあり口の中が少しピリピリとします。また、虫食いでない方が、食感も瑞々しく後味もすっきり甘く美味しくいただけました!
 
やはり、虫食いの方が虫が好む硝酸体窒素の含量が多くえぐみにつながったと思われます。
 
お昼ご飯の後は、車に乗って、隣の大磯町エリアの畑へ移動しました。
 
ここは、今年から借りた畑で、谷間を山手に向かって細長く伸びています70cmくらい掘ると玉砂利がでるため、元々川が流れていたのではとのこと。夏にはホタルも見られるほのぼのした雰囲気の場所です。
 
借りる前は、牛屋さんが管理しており、毎年草が生えたら、刈り倒して草をすき込み、耕起はしてくれていたお陰で土壌改良は不要だったそうです。
 
到着して一息ついたら、まずは「浜育ち」のMサイズから定植をしていきました。
 
マルチの上に、「条間20cm、5条、株間10cm」で定植用の穴が開けてあるところへ苗を植えていきます。穴に苗を入れておいておくだけでもじきに活着するそうですが、玉ねぎの玉の状態を良くするために植える高さを調節し土を圧着していきます。ポイントは、苗の下の白い部分と緑色に変わる部分の中間くらいまでの位置で植えること。また、マルチの穴は、雑草が生えてこないように、なるべく破いて広げないようにとのことでした。
 
チームごとに分かれて、あくせく植えた結果は、なんと一万本!収穫時期には、緑コンテナ50箱くらい(1tほど)にはなるのではとのことでした。甘くて美味しい玉ねぎが取れるのが楽しみですね♪
 

 
日が出ている時間も短くなってきており、定植が終わる頃には綺麗な夕焼けを眺めることができました。デスクワークに追われていると気づきにくいですが、季節の移り変わりを見ることができるのも畑仕事をしていてよかったなと感じる一瞬でした。
 
以上、圃場実習秋冬DAY6の模様でした!


“be organic.”な世界、
共に創りましょう。

未来の地球と
子どもたちのために。

お問い合わせ