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\SAS7期スクール日記・圃場実習DAY6・11月21日開催/

SAS日記

2021.11.21(日)

SAS7期スクール日記担当のトーイです。
 
今日11/20(土)は、暦ではもうすぐ「小雪」に入る頃。これから冬至(12/22)へむけて、農家さんにとっては慌ただしい、少し早めの師走がやってきます。
 
恒例の瞑想・観察タイムの後、講師のたっちゃんさんに、ブロッコリーの外葉の使い道についての質問がありました。
確かに美味しく食べることもできるそうですが、いかす農園では、基本的には作物残渣はそのまま畑にすき込んでしまいます。たっちゃんさん曰く、
「作物は作物で育てる。」
野菜を取り巻く環境を循環させる有機農業を、とてもシンプルに言い表していると思いました。
 
 本日は、先月10/23(土)に播種したエンドウ・ソラマメの苗を定植しました。
 連休中につき欠席の方も多い中、午前中はエンドウの定植と蔓の誘引のためのアーチ支柱を立てる作業。
 10/9の実習で、支柱の片付けは行いましたが(参照:https://www.icas.jp.net/sas-diary/sas_20211009/)、7期生にとって支柱の設置は初めての体験です。
 
■「エンドウの定植」
 10/23(土)に、育苗ハウスにて播種した種が元気に芽を出していました。
 人差し指と中指で優しく芽をつまんで、ポットをひっくり返し苗を取り出したら、事前に動噴(動力噴霧器)で、適度な深さに空けたマルチ穴に埋めていきます。
その際、苗が育ちすぎていて(※)、ポットの中で根が絡んでいた場合、根をほぐしてから埋めた方が良いそうです。
 苗を埋めたら周りの土を鎮圧して活着を促し、覆土するのですが、鎮圧の際は苗の上から押すのでなく、苗の側面を周りの土と密着させるイメージで鎮圧します。
 
(※.スクールの日程上、今回は播種の時期が早かったため、苗が育ちすぎていました。苗が20cmほどの高さに成長していた場合、朝晩の寒暖差が大きい冬は、霜の被害を受けてしまうため、本来は5〜10cmほどで定植ができるよう播種時期を調整します。)
 
■「アーチ支柱の設置」
 以前行った解体作業の逆で、半分に別れたアーチのオスとメスの接続部を交互に繋げて、3メートル間隔で地面に差し込むのですが、畑の土が硬く、なかなか思うように差さってくれません。「パイプハンド」という、専用の器具を駆使し、場所によっては男性3人がかりで差し込んでいきました。
  畑の斜面を観察すると、20cmほどの浅い作土の下には、すぐに軽石が混ざった硬い土層があるのがわかります。もともと、この畑は山を切り崩して段々にした造成地で、投入されている土も割合適当なものだったそうです。畑を借りる際には、その管理履歴や土壌物理性をよく確かめておかないと、もろにこうした作業の遅れや中断に繋がることがわかりました。
 センター支柱を通して(※)、両端を筋交で固定したら、最後に支柱が真っ直ぐに並んでいるか、縦と横から目視で確認しながら微調整します。
ある程度真っ直ぐになったら、エンドウの蔓が伸びていく手がかりとなる「キュウリネット」の支えとして、黒紐(マイカ線)を下段・中段・上段と通すのですが、紐がゆるまないよう、しっかりテンションをかけながら行います。
 お昼を挟んで、最後にキュウリネットをアーチに被せていくのですが、商品の梱包がやや簡素で、ネットの束からの最初の繰り出しを失敗してしまうと、絡まり地獄に陥るそうで、講師のたっちゃんさんが慎重に作業をされていました。
キュウリネットはマイカ線と違い、テンションをかけすぎないよう調整しながら、結束バンドで支柱に固定します。
 本日の設置作業はここまででしたが、今後、霜除けのためにアーチの天井にサンサンネットを張り付けます。
 
(※センター支柱を固定する際は、雨の侵入を防ぐため、ビスが下向きになるようにします。)
 

 
 
■「ソラマメの定植」
 午後は、同じ畑でソラマメを定植していきます。
播種の時に、横向きに植えたものと、縦向きに植えたもので、今回生育に違いがでていました(参照:https://www.icas.jp.net/sas-diary/sas_20211023/)。結果的に、生育の遅れた横向きの苗の方が、霜に当たりづらいため、定植には適していましたが、慣れないうちは豆のお歯黒部分を下にして縦に植えた方が無難かもしれません。
 定植の要領はエンドウと変わらないのですが、数をこなすうちに手際が良くなることもあれば、逆に作業が雑になってしまうこともあるので気をつけなければいけません。
 定植が終わると、霜除けのため、ダンポールを差していき、サンサンネットを被せます。被せ終わったら、仕上げにサンサンネットの下部を15cmほどたくし上げてパッカーで留めてしまいます。
この畑の畝間には、エンバクの種が撒かれており、作物が育つのと同時に成長して、害虫のアブラムシの天敵である、ヒラタアブやクサカゲロウを誘引してくれます。その天敵が入ってこれるよう、下部を開けておきます。
エンバクはすき込めば緑肥にもなるので、まさに一石二鳥。このように病虫害防除のために作物の近くに植える植物をバンカープランツと呼びます。
 
本日の実習は以上でしたが、陽が暮れるのがめっきり早くなり、作業時間も徐々に短くなってしまうので、冬場はより効率よく動かなければならないと感じました。
 
放課後は畑を移って、前回に引き続きタマネギの定植を行いました。
やっと6割方植えることかでき、ゴールが見えてきたかな…?
 
以上、11/20(土)スクール日誌でした。


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