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\SAS5期スクール日記・圃場実習 DAY1・9月19日開催/

SAS日記

2020.9.23(水)

9月19日土曜日は、いかすの畑の学校、通称SAS(サス)の圃場実習初日!
天候の関係で日程がずれたこともあり、満を持しての”対面”研修でした。

オンラインでも、みなさんの元気さ、エネルギーの高さは伝わってきましたが、
圃場では、更にパワーアップ!
初めての作業も多い中、積極的に取り組んでくださいました。

いかすの圃場は、パワースポット並みにユニークで才能は触れる人達が集まってくれていますが、今期も素敵なアースケアテイカーたちが育つ予感満載です!

さて、今回も、いかすが誇る若手研修生 みやっち&Maiちゃんを通じて、
圃場実習の1日をレポートしていただきたいと思います。

SAS(サス)事務局は、フレッシュで才能豊かな二人の学びを、応援してます。
純粋でフレッシュな2人の気づきは、きっと、畑に興味がある皆さんの気づきにもつながるはず。

それでは今週も、フレッシュな二人のレポートをお楽しみください!


畑に立つだけで、絵になるみやっち

クラブ音楽の音響というバックグラウンドから、畑に来たみちゃっち。
彼の立つ圃場は、全てが絵になる・・・ 😀
常に冷静で、気遣いもあり、寡黙。彼の取るメモは通称みやっちメモと呼ばれ、
いかすのナレッジの宝庫となっています。
そんな彼の目線から見た、”SASの講義”是非ご一読ください。 

圃場実習 DAY1 9/12開催

SAS総合コース5期の圃場実習がスタートしました!

雨の為一週間延期になりましたが、4期生と合わせて計21名のスクール生が参加しました。

曇天の中で時折晴れ間も見え、心配された雨も降らずに過ごしやすい天気。
夏も終わり、秋の訪れを感じながらの実習となりました。

実習内容は、「大根の播種」と「レタス、白菜の播種」。
同じ播種でも、大根は畑の土に直接種を播き、レタスと白菜は育苗トレイに種を播きます。

今回は、「レタス、白菜の播種」の内容を振り返ります。

「有機農業の失敗の原因の1つが苗づくり」と言われるほど、作物を育てる上で育苗は大切な工程です。

畑に定植するまでに作物の環境適応性を高めておくことが、上手な苗づくりのポイント。

本葉が3枚育つ頃が、植物の根と土の微生物が共生関係を築きやすい時期。
その為、作物にとって有用で多様な微生物環境が整った土を苗づくりに使用します。

いかすの使用している培土は、「EM有機培土」。
EMとはEffective Microorganismsの略語で、「有用な微生物群」という意味。
ピートモスやゼオライト、パーライト等を成分とし、保水性、排水性、保肥力の高い有用微生物を含んだ培土です。

先ずは培土にEM液を希釈した水を加えて混ぜ合わせて、程良い水分量にします。

この時、培土に含まれる肥料分を緩和する為、播種する作物の種類によっては肥料分を含まない鹿沼土を混ぜます。

苗の時期は作物の原産地の生育環境が色濃く反映されるので、痩せた土地が起源の作物には敢えて肥料分を少なくさせた方が力強い苗に育ちます。

例えば同じアブラナ科でも、草原で育った白菜と岩壁で育ったキャベツの生育環境は異なる為、それぞれに適した生育環境を作ってあげる事が大切。

今回の場合、レタスはキク科で条件の悪い環境でも発芽する為、鹿沼土を混ぜて培土を作りました。

混ぜた土を手でギュッと握ると塊になり、親指で触れるとこぼれ落ちる程度が丁度良い水分量。皆で確認しながら、それぞれの手の感覚で覚えます。

培土が出来たら、次はセルトレイに土を詰めて、播種穴を開けます。
トレイ毎にムラが出ないよう、土を指で押して均等に詰める練習を最初にしました。

練習の際はそれぞれ会話を楽しみながら指で感覚を掴んでいましたが、いざ本番となると口数も減り、皆黙々と作業。

播種は、新たな生命が宿るスタート地点。真剣に取り組むスクール生達の姿が印象的でした。

播種穴に種を1粒ずつ播いた後は、鹿沼土で覆土します。

覆土に鹿沼土を使用するのは、作物が土の養分を求めて自らの力で根を伸ばすようにする為。

覆土をしたら、最後にじょうろで灌水をします。

じょうろの使い方には幾つか注意点があり、土を弾かない為にハス口の向きを上向きにする事や、トレイに水が均等に行き渡るように灌ぐ水量を安定させてから灌水するなどがあります。

発芽する水量まで何度か灌水をした後、強光に当たり発芽障害を起こすのを防ぐために新聞紙をかけて作業は終了!

最後に上手な苗づくりをする為のお話があり、「レタス、白菜の播種」の実習を終えました。

苗づくりは、人間でいうと赤ちゃんを育てる段階の部分で、様々なことに気を遣う必要があります。

育苗中は、少しの変化も見逃さないようにしっかりと苗を観察する事が大切で、観察する際は“上から”目線にならずに、作物の視点で観察する事を教わりました。

実習中は、4期生の方々が率先して5期生に手解きをしたりと、終始和やかな雰囲気(^^)

個性的なメンバーの多い5期生達。

これから皆さんと学んでいくのが楽しみです!

byみやっち


化粧品メーカーから転身してきた、いかすのムードメーカーマイちゃん

キュートで、気遣い抜群なマイちゃんは、既にいかすのキーパーソン!
いかす3人娘の一人として、大活躍中です。
彼女がいるだけで圃場のメンバーも、野菜も元気になるという噂 😀
そんな、マイちゃんから見えたSASの講座はどんなものだったのでしょうか?

サスティナブルアグリカルチャースクール 5期

今期初の圃場実習Day1がスタートしました!

先週は雨のため延期になりましたが、今回は雨も降らず曇りではありましたが過ごしやすい天候でした。

スクール4期生と5期生の方とはじめての共同作業、前回のオンライン講義と違い実際に顔を合わせてFacetofaceのコミニュケーションを取ることで少しではありますが皆さんのことを知ることができて嬉しく感じ、私にはない物の見方や価値観を取り入れていきたいと思った大切な1日でした!

まだ全員とお話できていませんが、来週の実習のときに自分からコミニュケーションを取りたいと思います(*’ω’*)

◇実習内容◇
①レタス、白菜の播種(播種とは種まきのこと。こちらではスーパーセル苗での播種でした)

②大根の播種(直接畑に播種しました)

今回私はレタスと白菜播種に参加したので、こちらを振り返っていきます!

◇レタス、白菜の播種◇

*Step1.培土づくり

いかすで使用する培土は有機Jas認証が取れたもので、プロの有機農家が使用しているものでもあります。
培土が命といっても過言ではないほど重要なもので、苗の生育を左右します。
苗の性質を決める第一歩で、多様な環境で育てることで丈夫な苗が育っていきます。ここでいう多様とは、微生物を指します。

使用している培土は【種まき用EM有機培土】で、Effective(有用な)Microorgnisms(微生物たち)の頭文字を取り、EMと呼びます。

培土に使用されている原材料の一つにグアノというものがあり、このグアノは鳥の糞や死骸、エサの魚や卵の殻が数千年から数万年堆積し化石化したものになります。見た目はただのふかふかとした土ですが、数千年から数万年の歴史を手で感じることができて感動しました…!

1.船に培土を出す。

2.培土の水分調整。
培土にジョウロで潅水し、鍬で培土を切るように細かく切って培土と水を混ぜ込んでいく。
判断基準は、手で土を握り団子のように固まったあと、パラっと落ちるほど。

*Step2.培土詰め

スーパーセル苗というツールを使って培土詰めをしていきます。

スーパーセル苗を使うことで苗の性格に合う環境を作り出すことができます。(キャベツは厳しい環境、白菜はリッチな環境!)ただ詰めるのではなく、丁寧に詰めていきます。師匠であるうっちーさん曰く、「三つ葉の魂百までも」らしく苗に三つ葉が出るときには苗の性質が決まるので、注意深く詰めていきます。

詰め過ぎても根詰まりを起こすので程よい柔らかさを出します。苗のことを赤ちゃんだと思うこと!とよく言われますが、培土は赤ちゃんのベッドだと思うと丁寧になります(笑)根がしっかり張ると、葉脈も対になるように広がり、葉脈は茎の維管束と連結して水や養分を供給し、デンプンなどの合成産物を運ぶ通路となります。

1.スーパーセル苗に培土を盛り、全体的にならしていく。
2、4つの指を使い土を詰め込んでいく。
3、もう一度培土を盛り、ならし、軽く詰め込んでいく。

*Step4.播種溝を作る

培土詰めのあとは播種溝を作ります。深すぎると芽がうまく出ず、浅過ぎても種が動いて外れてしまうこともあるため、指の腹をうまく使います。
すり鉢状の溝が理想で、セルの真ん中に作っていきます。培土詰めのときは4つの指を使うが、播種溝は大切な作業になるため2つの指を使って意識が散らないようにする。

*Step5.覆土

覆土は、播種溝の上から鹿沼土という土を乗せていく作業です。鹿沼土は鹿沼地方で取れる土で、有機物を含みません。鹿沼土で覆土することで、種が必要としている有機物がないので芽がいつもより頑張って芽を出そうとします。苗のポテンシャルを引き出すためのテクニックの一つだそうです。

1.播種溝の上から少しだけ山なりになるように指先を使って覆土をしていく。

*Step6.潅水

播種した苗に水をあげる作業です。培土づくりとこの潅水のときに使う水は、EMを1000倍(ジョウロ8ℓにペットボトルのフタ7mlで)希釈したもの使います。
潅水という作業は、普通の農家ではやらせてくれないほど超重要なものになります。
(私は、家で育てていた植物や野菜に適当に水をあげていたのでものすごく反省しました…(笑))
水圧調整がポイントになり、ジョウロの蓮口を上にすることでやわらかい水の出方になり、一度苗の外で水圧調整してから潅水することで、土を叩くような強い水が出ません。土を叩くような潅水をすると、土が動き種がセルトレーの外へ流出したり、培土が硬くなりうまく水を吸い上げることができなくなります。
トレーを往復するように潅水をしたら5秒ほど待ち、培土に水が染みこんでからまた潅水をしていきます。この作業を繰り返し、セルトレーの下から水が少し滲み出るぐらいの量で潅水をしていきます。

1.EMを薄めた水を用意。
2.セルトレーに対し、一定の水圧水量で潅水をしていく。
3.セルトレーの下を確認し、水の浸み込み程度を確認する。足りなければ同じ作業を繰り返していく。

Step.7新聞紙で包んでいく

潅水が終わったトレーを新聞紙で包む作業です。新聞紙で包むことにより保湿効果と強光から守ることができます。双葉、胚軸が出てきたタイミングで強い光をあびることで大ダメージを与えてしまいます。場合によっては種が焼けてしまうことも。
逆に、芽が出てきたときに新聞紙を外してあげないと光合成ができなくなるので芽が出たら外してあげます。根が出てくれば、強い光を浴びても根や葉を使ってうまく蒸散させることができます。
何気ない一手間ではありますが、苗を守るためのポイントになります。

*Step8.苗床へ移動

赤ちゃんでいうところの新生児室みたいな感じで、ハウスへ移動します。外から病原菌の原因となる土を持ち込まないよう靴についた土はしっかり落としてからではないとハウスに入れません。
このハウスで苗が育っていくので、毎日の観察がキモになります。だいたい播種してから2.3日で発芽していきます。苗の状態や土の状態、虫や病気にかかっていないか、潅水は必要か判断するのは全て私たちの観察が必要になります。よく人とのコミニュケーションで、その人のことを知りたければ同じ目線でと言われたことがありましたが、苗も同じで苗と同じ目線になって観察することで気づけないことに気づけたり新しい発見につながっていきます。

以上で播種の作業の終了となります!

◇まとめ◇
☆育苗は性質を決める第一歩になるので、多様な環境(多様とは微生物。土や水の微生物)を整えることで柔軟に環境に対応できる苗の基礎を作ることが重要!

⭐︎播種をする苗の歴史と起源を紐解き、その苗の性格に合わせた環境を作ること!キャベツはスパルタ!白菜はリッチ!笑
(キャベツは元々が崖などでも育つような野菜なので、鹿沼土を混ぜ培土の養分を抑制、白菜はアジア原種のリッチな土壌で育つので培土に鹿沼土は混ぜないなど)

⭐︎苗は赤ちゃんのように大事に大事に扱え!三つ子の魂百までものように、苗が小さいときに性質が決まるので愛情を持ってお世話すること。ひとつひとつの所作に細かい配慮を持つ。

Mai


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