はじめに。
2019.7.3(水)
- いつかオーガニックな農業をやってみたい。
- 有機農業、自然農法、自然農、自然栽培、炭素循環農法、バイオダイナミック・・・いろいろありすぎて、どれを選べばいいのかわからない。
- 先輩や行政の担当者から「オーガニックでは食べていけない」と言われた。
- やっているけど、食べていけていない。
- やってみたけど、うまくいかなくて挫折した。
- 親の後をついだけど、ちゃんと学んでないので、うまくいかず困っている。
- 慣行農業をやっている親の後をついだけど、自分は持続可能な農業をやってみたい。
- 今までのやり方では、どんなに消毒しても病気が治らなくなってきてしまった。
はじめまして、アースケアテイカーのたっちゃんこと内田達也です。
冒頭に紹介したのは、ほんの一部ですが、全て、実際に相談をもちかけられた事例です。
僕自身は、大学卒業後、少しのサラリーマン生活を経て農業に取り組んだので、いわゆる「新規就農者」。自然農法国際研究センターでの育種の研修後、石綿 薫さん、山下一穂さんや、金子美登さん、を始め、尊敬する諸先輩から学び、共同生活をしながら自然循環を重視した農業に取り組む生産者グループに参加した時期もありました。
そして、今は、神奈川県平塚市で、仲間と共に「いかす」という会社を運営しています。
いかすで取り組んでいるのは、サステナブル(持続的)なアグリカルチャー(土を耕すこと)。そこで、サステナブルな農業を学ぶスクール(サステナブル・アグリカルチャースクール、以下SAS)とサステナブルな農業を実践するファームで経験をシェアしています。
これまで、たくさんの相談に乗ってきて、共通の悩みが多いことに気づきました。
そこで「何かのヒントにしてもらえたらいいな。役に立つといいな。」という想いから、体験をブログで発信してみることにしました。
こんなことを知りたい、というリクエストや、こんな風にしたらうまくいった、という体験など、気軽に教えてもらえると嬉しいです。
サステナブルアグリカルチャーとは?
SASは、サステナブルな農業を推進することを目的として始めた小さな農業スクールです。
僕は、生業として農業に取り組む時、サステナビリティーには、
①環境面での持続可能性
②経営面での持続可能性
という2つの側面があると考えています。だからこそ、環境と経営、その両方を持続可能にする技術や考え方を幅広くとりいれることを大切にしています。
最近、スーパーにいっても、減農薬やオーガニックの野菜コーナーができたりと、少しずつ、サステナブルな農業への興味関心が高まってきていると感じる一方で、農水省の統計データでは、オーガニック、非オーガニックという切り口で分けた日本の農業の耕地面積の割合は、
・慣行農業といわれている化学肥料と化学農薬を使用する農業が99.5%
・化学農薬や化学合成農薬は基本使わないというオーガニック・有機農業が0.5%
となっています。耕地面積の割合でみると、オーガニックは1%に満たない、わずか0.5%なんです。
そこで、0.5%の仲間を増やす努力はもちろんですが、99.5%の方たちが、健康的な作物栽培に取り組み、減化学肥料、減農薬が実現したら、トータルで環境負荷が減り、持続可能性も増すのではないか?という仮説のもと、県の技術センターや大学の研究者との技術の研究や実践、農業関係者との交流も積極的に行っています。
また、その小さな0.5%の中には、有機農法、自然農法、自然農、自然栽培、炭素循環農法、循環農法、有氣農法、天然農法、バイオダイナミック農法…など、バラエティーに富んだたくさんの農法・方法論が存在しています。
それぞれの農法・方法論には、提唱者がいて、少しずつ、考え方が違ったり、使ってよい資材や道具・機械などがあったりと、すべての違いを把握できてる人は、実践者でも少ないです。
さらに、日本という国は、小さな国土ではありますが、南北に長く、気候も様々、地形も複雑、土壌の種類も様々です。一昔前には、地域特有のバラエティーに富む伝統的な野菜や穀物の品種が育てられていました。
だから、何かひとつの正しい農法があるのではなく、
・気候の数だけ、
・土壌の数だけ、
・作物の数だけ、
・関わる人の数だけ、
その組み合わせが存在し、組み合わせの数だけ農法が存在すると思っています。
そして、その土地の自然の変化に合わせてやり方を変化させ、カスタマイズしていく。それこそが、SASが目指すサステナブルアグリカルチャーの実現を可能にするとも思っています。
これから、こんな僕のサステナブルアグリカルチャーについての知識や体験を発信していきます。