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じゃがいも

■ジャガイモ

 

アンデスの高地で生まれ、今では、世界中で愛され、栽培されているジャガイモ。米・麦・トウモロコシと並ぶ世界4大作物の一つにあげられています。

比較的、無農薬で作るのは簡単だが、連作を行うと、疫病やそうか病への対策が必要になってくる。事前の育土はもちろん、連作をやりやすくするための技術を紹介していきます。

 

■原産地と来歴

 

原産地は、南米アンデスのぺルーとボリビアにまたがる標高3,000mのチチカカ湖湖畔が原産地。

ジャガイモがヨーロッパに伝来したのが、インカ帝国時代の16世紀ごろ。

日本にも16世紀、オランダ船によって、ジャワのジャガトラ(ジャガルタ)からもたらされたことにより、ジャガタライモが変化して、「ジャガイモ」と呼ばれるようになったと言われている。

日本で本格的に栽培されるようになったのは、明治維新以後、北海道の開拓に利用された。

現在でも、日本の総生産量の3分の2が北海道。

冷涼な気候で育つことと、比較的やせた土地でも育つことから、小麦が主食であったヨーロッパでは救荒作物として広がっていった。

 

■生育適温

生育適温 10℃~23℃。

昼温 20℃  夜温 10~14℃ 冷涼な気候を好みます。

 

■作型

日本では主に気候によって3つの作型

①春作(暖地・温暖地)

12月~3月定植  5~7月収穫 

 

②夏作(寒地・寒冷地 例:北海道)

4~5月 定植  8月~9月収穫

 

③秋作(温暖地~暖地)

8~9月 定植 温暖地(11月~12月 収穫) 

暖地では、3月上旬まで収穫を延長できる

 

■代表的な品種

男爵

メークイーン

ニシユタカ

北あかり

デジマ

 

【栽培について】

 

■事前の育土

以前の育土の項目を参照してください。

ジャガイモ特有の病害虫を予防してくれる緑肥を作付体系にとりいれていくことにより、

栽培をしながら、病害虫予防と育土を同時にすすめていきます。

 

緑肥を取り入れた栽培

ヘイオーツは、ジャガイモのそうか病、キタネグサレセンチュウに対抗し、菌根菌も増やしてくれるので、収量、秀品率ともにあげてくれます。

また、他の有効な緑肥として、黒あざ病をへらしてくれるチャガラシ(辛神)、根腐れセンチュウの少ない圃場では、肥効、菌根菌を増やす意味でヘアリーベッチとひまわりなどがお勧め。

ここでは、主にイネ科のヘイオーツを使った栽培を紹介みたい。

 

【作型1】 春作

 

【使用緑肥】 えん麦(ヘイオーツ)

【おすすめ品種】 えん麦(ヘイオーツなど) 

【作付例①】

9月 ヘイオーツ播種  11月中旬~12月初旬 ヘイオーツすきこみ  2月下旬 ジャガイモ定植 7月 収穫

 

【作型2】 秋作

 

【使用緑肥】 えん麦

【おすすめ品種】 えん麦(ヘイオーツなど) ライムギ R-007

【作付例】

9月 ジャガイモ定植 11月中旬~12月初旬 ジャガイモ収穫  11月下旬~12月初旬 ヘイオーツ R-007 播種

 

【作型3】 春作・秋作 連作体系

【使用緑肥】 えん麦 スーダングラス

【おすすめ品種】 えん麦(ヘイオーツなど) スーダングラス(ねまへらそう)

【作付例①】

9月 ヘイオーツ播種 ⇒ 11月下旬 モア・耕起 ⇒ 2月中~3月初旬~ 春ジャガイモ定植 ⇒ 6月中旬~7月 収穫 ⇒ 7月 スーダングラス⇒ 8月初中旬 スーダングラス すきこみ ⇒9月上中旬 秋じゃがいも定植 ⇒11月下旬収穫 ⇒11月下旬 ヘイオーツ播種  ⇒1月中旬~2月初旬 ヘイオーツすきこみ ⇒ ジャガイモ

【一言メモ】

緑肥を年2回入れて、そうか病や土壌病害を抑えながら連作をかけ作型を安定させていこうというアプローチ。冬場のヘイオーツの栽培期間が短いが、キタネグサレセンチュウ・そうか病の予防をかねて播種。

 

■おすすめ品種

 

【病害虫に強い品種】

○さやあかね :

疫病抵抗性 ジャガイモシストセンチュウ抵抗性がある。

男爵と同系統のホクホク系の芋。男爵よりも病害虫に強く、収量は多い。食味は男爵並みで、男爵よりも煮くずれしやすい。

 

【暖地2期作用品種】

○デジマ 

○ニシユタカ 

○春あかり デジマ・ニシユタカの次の品種。病気の抵抗性につよく、食味もすぐれた優良品種。暖地用2期作が可能。

(農林43号:平成14年 「T8973-20」×「普賢丸」 そうか病抵抗性がやや強く、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性。滑皮で目が浅く、 外観に優れる。生理障害や内部異常が少ない

 ○アイユタカ

アンデス赤:収量は上がらないが、2期作が可能

レッドムーン:収量は上がらないが、2期作が可能

 

■連作をやりやすくするためのコツ

 

●種イモへのアプローチ

 

①浴光育芽(主に春作)

春先の植え付け1か月くらい前から、種イモをハウスの中で、低温、強光下に置き

5㎜程度の黒紫色の芽を出させる。強い光が当たることにより芽を出そうとするが、

低温なので、芽が伸びられない。いもが緑化していく。発芽ストレスをかけることにより、抵抗性や植え付け時の生育促進をする技術。

 

○効果

植え付け後の出芽が10日以上早くなる

収量の増加にもつながる。

黒あざ病などの防止

30グラムまでの種であれば、十分育芽した場合は、生育に差が見られない。

小さい種の有効利用につながる。

○温度の管理

日中は5~20℃に抑える。20℃以上にならないように換気をする。

また、夜は、零下になる場合は、被覆資材をかけて保温をする。

 

 

②種イモの切り方(植え付け数日前に種イモ切りの作業をします)

100g以上の大きい芋は、一片が40g以上になるように切る

40g未満の芋は、そのまま植える。

大きい芋は、親いもとつながっていたへその部分を切り落としておきます。

へそを切り落とすと植えつけ後の生育がよくなるといわれています。データはないようです。40g未満のものは、へそを落としません。

切り口には、草木灰・じゃがいもシリカ・EMセラミックのようなものをつけて切り口を乾燥させ、雑菌が繁殖できないようにしてから、日陰で干しておきます。

 

③逆さ植え

これまた、科学的な裏付けはありませんが、植え付け時に、芋を逆さに植えると強い芽だけが残されるので、結果、病害虫に対する抵抗性が強くなると思われます。

 

■植え付け

畝間70㎝~75㎝ 株間 25㎝~30㎝

覆土5~8㎝

土地の状況や品種の違いにより、最適な畝間と株間を見つけていきます。 

 

■植え付け後の管理

○土よせのタイミング

・1回目  出芽後7~10日目、初期除草をかねて軽く中耕倍土

・2回目

草丈25㎝くらいの時に、今の上に10㎝くらい土がかぶるように培土。畝の形状が株もとが低い富士山型ではなく、かまぼこ型になるように培土をするとイモが緑化することなく収穫できる。