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里芋

■里芋

 

棒一本で植えつけられることから、農耕の初期から利用されてきたタロイモ。

様々な種類のタロイモの一種。日本にある里芋は、タロイモ系の北限になってます。

日本でも様々な品種がつくられています。田芋や水芋といわれる田んぼに水をはって湛水状態で作られる芋もあれば、ほとんどの里芋は、畑で作られています。

連作しにくい厭地現象がでやすいと言われていますが、うまく連作すると作型は安定します。連作を可能にするために、後作にヘイオーツなどのセンチュウを予防する緑肥などを利用するのも手です。

 

■特徴など

 

原産地・来歴

原産地はインド東部から東南アジア。

日本には、縄文時代に中国から伝ったとされています。

発芽の条件

発芽の最低温度15℃

生育適温

生育適温は25℃~30℃。地上部は霜に弱く、5℃までの低温に耐えられる。長期保存の際は10℃が確保されると腐りにくい

日照

高温・多日照を好む

土壌適応性

土質は選ばない。透水性・排水性のある肥沃な圃場が向いている。適応土壌PHは、広くPH4.1~9.1。

 

■主ないもの種類

 

品種

特徴

石川早生

子芋・孫芋

早生品種 代表的な早生種

土垂

子芋

中晩生 多収で長期貯蔵にも向く品種

えび芋(唐の芋)

親子兼用品種

京芋とも呼ばれる京都の伝統野菜。反り返えった形と縞模様がエビのように見えるのでえび芋と呼ばれる。粘質性に富み、粉質。ほんのり甘く食味が非常によいため、高級品とされている

セレベス(赤芽)

親子兼用品種

晩生 いもの芽が赤い。耐寒性・耐乾性ともに弱い。暖地栽培に向く。紛質でぬめりなく、ほくほく系の芋。インドネシアのセレベス島から伝わったとされている

八つ頭

親子兼用品種

子芋が分球せず親子もろともひとつの塊になるタイプ。頭が八つ固まっているように見えることからヤツガシラと名づけられた。ホクホクして食味が良好。おせち料理などにも使われる。ごつごつしているため、調理に手間がかかる。また、近年、埼玉で突然変異の丸い八つ頭の品種が出て使いやすくなっている。

タケノコ芋

親芋

親芋がタケノコのような形。ホクホクして、煮くずれしにくく、おいしい品種。ほとんどが宮崎で生産されており、宮崎県のブランド品種。

ずいき(赤)

唐の芋や八つ頭の葉柄を使う

ずいき(白)

「はすいも」の葉柄。ずいき専用の品種。主に高知県・福岡県などが産地。

 

【栽培の仕方】

 

■事前の畑の準備

 

里芋に関しては、品種の違いこそあれ、水を好む性質があるので、元、水田のように水を入れられる場所で栽培するといいと思います。最近は天候が読めないことが多いので、干ばつにあった時に備えて育土をすすめ、水はけ・水持ちが良いように土壌の団粒化をすすめることはもちろん、いつでも干ばつなどに対応できるような場所でつくると楽だと思います。

 

■種イモの用意

子芋のほうが環境適応性が高いので、土壌の性質に芋を積極的に合わせていきたい時は、子芋を使います。土壌と種の親和性が高まってきたら親芋に切り替えて、性質の安定した親芋を使っていくのもありです。

また、初期は種芋を購入しますが、翌年の種イモを取り次いでいく場合、乾腐病や軟腐病は種イモで伝染するため、種イモ選別の段階でより分けるのは、もちろん、病気の株からはとらないようにします。

 

①土寄せ

芋をしっかりと形よく肥大させるためにも、適期の除草をかねた土寄せをやっていきます。

時期としては、子芋と孫芋の肥大する時期にあわせて行います。

※品種によって異なるが、子芋肥大期 定植後90日前後 孫芋肥大期 110日前後

 

②有機物マルチ

最終の土寄せ後に地域的にカヤ、ヨシ、藁などの有機物あれば被覆してもよいし、剪定枝のチップなどが豊富に手に入る地域であれば、それをマルチ代わりにしておくと、適度に、こなれて鋤き込むときには、有用な有機物として活用できます。

 

■作付後の育土

連作をする場合、作付終了後、なるだけ11月中に炭素資材をまきます。もしくは、事前に有機物マルチで覆われていたら、それを鋤き込みます

畑の養分循環量が不十分で、かつ施用する有機物の炭素率が高い場合は、えん麦を育てるためのチッソ源になるような完熟たい肥などを少量まいた後に、えん麦(ヘイオーツ)を散播します。年を越して里芋作付の1か月半前くらいには鋤き込んでおきます。

連作をする場合、ミナミネグサレセンチュウの密度があがる可能性があるので、その対策として、ヘイオーツを播種しておきます。

 

■相性のい良いコンパニオンプランツ

 

○ショウガ

耐陰性の作物であるショウガを植えるのはおすすめ

里芋の間にしょうがを混植すると、日陰になるので生育が促進する

それだけでなく、病害の予防にもなります。

 

○夏大根

7月の梅雨明けに播種 9月収穫の作型をやるときに、里芋の陰でやると可能になります。

家庭菜園や小規模な農家の方にお勧めします。

 

■有効な輪作体系

里芋は連作障害が発生しやすい作物と言われています。そのため、無理に連作をかけるのではなく、輪作体系を利用する方法もあります。

例えば、サトイモとラッカセイ、サツマイモ、ギニアグラスなどを組み合わせた、2年輪作、3年輪作などで、センチュウ密度をおさえながら、栽培する方法は有効です。

特に、落花生と里芋の輪作体系とミナミネグサレセンチュウ抵抗性品種のサツマイモ品種を利用した輪作体系が有効であること。また、単一輪作物と交互に行う2年輪作に比べ、3年輪作の方がより有効である旨が、鹿児島県の農業試験場の研究からもわかっています。

 

■貯蔵方法

 

①温暖な地域

 

南関東以西の温暖な地域なら、里芋の枯れた地上部を残したまま、管理機などで芋の上に土寄せをして保存。適宜掘っていく形で保存できます。ポイントとしては、地上部を刈り取らず、そのまま残しておくことです。刈り取ると里芋の呼吸が制限されて越冬できません。気を付けてください。

 

②中間地など

霜が降る前に掘り取りを完了させます。

畑に幅80㎝くらい、深さ50~60㎝の穴をほり、掘り取った芋を親芋から切り離さず、芋を逆さにして底から伏せこんでいきます。地面の近くまで伏せこんだら、上には藁やカヤなどをかけます。その上から土をかぶせて仕上げます。

※伏せこんでしばらくは、キュアリングのため、藁やカヤだけ、土をかけるのを浅くして換気がしやすいようにしておきます。キュアリングがおわったら、しっかりと土をかけて保存します。

貯蔵溝の温度が9度以下にならないように、しっかりと保温します。

また、注意点として、年内の比較的暖かい時期に土を厚くかけすぎると発芽してくる場合があるので、気温の低下と共に土の厚さを変えるとよりいいと思います。