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土・作物・栽培(人)の連動が大事 ②

 

農耕地では、作物が主役であり、それをベースで支えてくれるのが、土です。

作物は、土に働きかけ常に自分が住みやすい生態系に変える働きをし続けます。

作物の根の周りには、相性のよい微生物や小動物などが集まったり、その作物にとって相性の悪いものも集まったり。

最終的に、作物を頂点とした作物のための土壌生態系が作り上げられていきます。

作物と土壌の相互作用で新しい生態系を作り続けているといえます。

 

■ 人(栽培者)の役割 ①

栽培者である人として、2つのものをいかす役割があります。

 

①作物をいかす

 

・作物がより本来の力を発揮できるように栽培管理をしていく。

 

○具体的な行動

育種・育苗・施肥・畝づくり(平~高い)・潅水・作型・品種選択・被覆など

 

 

②土をいかす

 

・作物がよりよく育つための土壌生態系を育てていく(育土)・・・【中長期的】

・作物の求める状況に、即時対応できる機能を引き出す・・・・・・【短期的】

 

短期的と中長期にわけた理由として、

長い意味で継続的に育土を続けていくことがベースとして大事です。

短期的には、農業者として作物を育て上げて売り物にしていくことが求められる。

その場合、作物の状態を観察しながら、即時、土壌生態系を活性化するようなことも求められてくると思います。

その二つの使い分けが大切なのではないでしょうか。

 

○具体的な行動

高炭素有機物の施用・施肥・潅水・耕耘(深さ・タイミング・速さ)・中耕・除草・緑肥

暗渠・明渠・溝きり・太陽熱マルチ処理 など

 

 

人(栽培者)の役割 ②

栽培者としての人の役割は、とにかく作物・土が最高に連動できるように双方に働きかけ続けることです。

その継続的な関わりあいの結果、どんどん作物を育てるのが楽になってきます。

その手段として、連作や同じ作物を定期的につくり続けることで、土壌生態系を構成する微生物や小動物をはじめとする存在がその作物の情報を学び、データを蓄積していきます。毎年同じような作型を繰り返すと、連動スピードがどんどん上ってくるでしょう。

病害虫が出たとしてもそれに即時対応するシステムも整ってきます。

育種などを合わせれば、さらに作物の側も学びを深め、その土地、その季節に育てられることの情報を学習し、

次の種の中に情報を蓄積していきます。

この二つが連動していくと、どんどん栽培は楽になっていきます。

 

■新規就農や土地がやせている場合?

 

特に新規就農者は、耕作放棄地や造成地など長年、作物が作られていなかった土地をもらうケースもあります。

そういった土地では、土の側にも、作物の側にも経験や情報の蓄積がありません。

こういったところに、いきなり作物を育ててもうまく育たないケースが多い です。

こういった場合、まずは、畑としての最低限の機能や状態を整えるために、緑肥を育てたり、マメ科などのパイニアプランツを育てていきます。

ある程度、畑としての機能を付けた上で、いわゆる野菜類に移していったほうがスムーズだと思います。

崖崩れの後の土地に行ってみてください。即座に生えてくるのは、マメ科の植物です。

 

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空気中の窒素を固定して、養分がないところでも自分たちのテリトリーを作り出して足場を作っていくことがうまい植物です。だから、開拓者。

パイオニアプランツと言われるゆえんです。

昔から伝統農法でも、やせたところには、大豆と麦を作っていって、ある程度、肥えてきたところで、野菜を間作していくという方法がとられていました。

そもそも、現在のような土を作ってきたのは植物です。

植物にこそ、土を作っていく能力が備わっていること覚えておいてほしいです。

とかく、何かをいれることが土づくりだと思っているかもしれませんが、植物をうまく活用することで、より作物栽培にむく土壌生態系を整えていく。

そんな視点も重要なのではないでしょうか