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野菜物語/キャベツ・きゃべつ

野菜の物語

2015.10.27(火)

キャベツ アブラナ科アブラナ属 (英)Cabbage

 

キャベツの原産地と歴史

キャベツの原産地は地中海、大西洋沿岸。初めて食用にしたのはギリシャ人、紀元前600年ごろにケルト人がヨーロッパ各地に伝えたといわれている。その頃のキャベツは球を作らず、約1000年前に、現在のような結球タイプが現れた。

日本に伝わったのは江戸時代の末期だが、食用として栽培が始まったのは明治時代に入ってからだと考えられている。特に戦後、食生活の洋風化に伴い、消費量が急増し、今は全国生産量第三位の野菜になっている。

ちなみにキャベツの祖先は、薬用効果が高いとされ、青汁の材料となっているケールだ。

 

キャベツの旬は?

品種改良が進み、現在では通年出回っており、一年中美味しく食べることができる。

収穫は3シーズン。

 

  • 冬キャベツ(寒玉キャベツ):夏に種まき、冬に収穫されるもの。硬くてずっしりした球が特徴で、煮たり焼いたり、熱を加えると甘みがでて美味しく食べられる。愛知・千葉が主な産地だ。

 

  • 春キャベツ(春玉キャベツ):秋から冬にかけて種まき、早春から初夏にかけて収穫されるもの。葉がみずみずしく柔らかく、巻きがややゆるく、生食・炒めものに適している。千葉や神奈川、九州などで栽培されている。

 

  • 夏キャベツ(高原キャベツ):冷涼地で作られ、夏から秋にかけて出荷されるもの。球がよく締まり葉が柔らかく、サラダや汁物の具に向いている。群馬、長野が主な産地だ。

 

キャベツの保存方法

キャベツは冷涼の気候を好むので、冬以外は冷蔵庫で保存しよう。

核家族が増え、一食あたりの野菜の消費量が減少している現在、キャベツのような大型野菜は、できるだけ長持ちさせたい。その場合、水分をいかに保つかがポイントとなる。調理時間短縮の為、あらかじめカットされているキャベツを購入する人もいるが、切り口から水分がどんどん抜けて傷んでしまうのでお勧めできない。できるだけ丸ごと購入し、家庭内で上手く保存したい。

コツとしては、まず芯をくり抜き、水を含ませたキッチンペーパーを詰めてから、ビニール袋に入れて冷蔵庫に保存してみよう。また外葉から一枚ずつはがして使うとさらに長持ちする!

 

キャベツの効能

キャベツは、ビタミンC や食物繊維以外に、特有なビタミンUを多く含んでいる。薬の名前にもなっている「キャベジン」はビタミンUの別名で、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の予防や治療に効果があるのは有名。ただし、熱に弱いので、胃腸を整えたいときはできるだけ生のまま食べよう。

また、もう一つ重要な栄養分はビタミンK。骨にカルシウムが沈着するのを助ける働きがあり、骨粗しょう症の予防効果も期待できる。

 

キャベツの品種

現在、300以上もの品種があります。時期や料理によって上手に選びたい。

またキャベツはいろいろな形や色がある。

●レッドキャベツは普通のキャベツよりも肉厚、サラダの彩に最適。

●芽キャベツは、実はキャベツの親戚。葉の付け根の脇芽が結球していて、アクがあるので、下茹でしてから使うのが一般的。

●サボイキャベツはフランス料理やイタリア料理によく使われているもの、ちりめんキャベツとも呼ばれている。普通のキャベツよりやや固め。

 

キャベツの豆知識

シュークリームの「シュー」は、実はキャベツ!。

シュークリームは、フランス語のシュ(chou)と英語のクリーム(cream)合わせた和製外来語で、正しいフランス語はシュー ア ラ クレーム(chou à la crème)「クリーム入りキャベツ」という意味なのだ。オーブンから出した焼きたての生地はキャベツとそっくり!

 

キャベツの使い方と料理

煮物、炒め物、蒸し物、サラダなど、いろいろな食べ方を楽しめるキャベツ。冬場に煮物、夏場に生食など季節に応じたキャベツの良さを楽しみたい。

 

ちなみに、ドイツのザワークラウトはキャベツの理想の食べ方。千切りしたキャベツに塩と香辛料を加え、重石をのせて乳酸発酵させることにより、生キャベツ持つ栄養分を壊さず保存できる。生キャベツの栄養素だけでなく、乳酸菌もたくさんとれるので、ぜひ作ってみてほしい。

 

 

 

 


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