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野菜物語/玉葱・玉ねぎ・タマネギ

野菜の物語

2015.7.17(金)

野菜物語/玉葱(たまねぎ)・タマネギ

タマネギ ネギ科ネギ属 (英)Onion

 

タマネギの原産地と歴史

タマネギの原産地は中央アジア、地中海沿岸と言われている。疲労回復に効果がある野菜だから、エジプトでは、ピラミッドを作る時に、奴隷に食べさせていたそうだ。ヨーロッパに広まったのは16世紀頃で日本で本格的に栽培されるようになったのは明治時代の初めの頃。今は家庭の食卓に欠かさない野菜の一つだ。

 

タマネギの旬は?

一年中店頭で並べられているタマネギの収穫期は、春と秋に分かれている。

関西や九州では春に収穫される。いわゆる「新タマネギ」だ。柔らかくてみずみずしい、辛味や苦味が少ないが貯蔵性が悪い。

北海道が主産地の秋採りタマネギは、玉締りがよく、貯蔵に向いている品種がほとんど。少しずつ市場に出荷される。

どこでも栽培されているが、産地ごとに旬がある。3月に静岡や西南暖地、6月上旬から淡路島の新玉ねぎが市場にでてくる。北海道産は9月からだ。

その中で、まず食べて欲しいのは在来種の「札幌黄」・「空知黃」。

甘みがあり柔らかい肉質が特徴だ。しかし、貯蔵が効かないので、現在は、生産者が少ない。

 

タマネギの保存方法

普通の黄色いタマネギは湿度に弱いので、風通しがよくて日に当たらないところに吊るしておくのが一番良い。普段みかんなどを入れている赤いネットが使いやすい。

夏場は冷蔵庫に入れたほうが安心。また新玉ねぎ、赤たまねぎは水分が多く、傷みやすいので、袋に入れて冷蔵庫で保存して、早めに食べるのがおすすめ。

あらかじめみじん切りやスライスにし、冷凍しておくば2ヶ月程保存が効く。調理時間が短縮できるので、忙しい主婦の味方だ。

 

 

タマネギの効能

タマネギに泣かされた経験のある人は多いだろう。硫化アリルという成分が気化して、目の粘膜が刺激され、泣かされてしまうのだ。

しかし、この硫化アリルは、単に涙を出させるだけでなく、消化液の分泌を促し、新陳代謝を活発にし、血液をサラサラして、風邪を予防するなどの効果がある。またビタミンBの吸収を良くする働きもあり、ビタミンB不足から起こる疲労、不眠、精力減退などを緩和する効果が期待でき、古くから精力剤として使われているのだ。

 

タマネギの品種

主に3つのグループに分かれている。

一番多く出回っているのは黄色種の辛いタマネギ。札幌黄や泉州黃から改良されたF1種が多く作られています。じっくり加熱すると辛味成分が非常に甘くなるので、カレーやオニオンスープなどに向いている。

最近は、あまり見かけなくなったが、生食に適する白い品種もある。時期としては3、4月で、「愛知白」、「ホワイト」という品種だ。水分が多く、甘くてとても美味しい。見かけたら是非、ご賞味あれ。

近年、鮮やかな赤たまねぎがよく見かけられる。代表的な品種は「湘南レッド」、辛味が少なくみずみずしい、見た目も綺麗だからサラダの彩りに最適。

 

タマネギの豆知識

l   涙の出ないタマネギの切り方はありますか?

一番有効な方法は「冷やす」。温度が低いと硫化アリルが飛びにくいので、タマネギを切る前に、一時間ほど冷蔵庫に入れて冷やしておいて、包丁も一緒冷やすとさらに効果的。 

「温める」のも効果があります。加熱すると硫化アリルが気化して弱くなるので、涙が出にくくなる。皮を剥いて20秒ほどチンすればOK。

l   タマネギを炒めるとなぜ甘くなるのか?

辛味成分が甘味成分に変わるという人がいるが、違う!もともとタマネギの中には豊富な糖類が含まれているのだ。可食部100g当たり5~7gも含まれています。(ちなみに、トマトは3~4g)

炒めると辛味成分が失われるが、糖類は残り、水分も蒸発していくので、もともとあった甘みが凝縮されるのだ。さらに「あめ色」状態まで炒めると、糖類の一部が甘くて香ばしいカラメルとメラノイジンに変化し、これらの成分が混じり合って、奥深い甘みを作る。

 

タマネギの使い方と料理

和、洋、中華、どんな料理にも欠かせない、クイーンオブ常備野菜のタマネギ。生食、炒め物、煮物、揚げ物など、調理方法の幅がとにかく広い。煮込むと甘みが出るので、特に洋食では料理のベースの定番だ。生はピリッと辛く、香りもあり、ドレッシングの材料として使われている。甘くてコクがあるフライドオニオンが料理のトッピングや隠し味に最適。

また料理に合わせてタマネギの切り方を変えるとさらに美味しくなる。繊維に添って薄切りにすると、シャキシャキとした食感が味わえるので炒めものに向く。逆に繊維と直角に包丁を入れると、辛味が抑えられるので、サラダに適する。

 


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